生薬?天然物化学研究室
天然(植物)から未知の化合物を発見する!
ご挨拶
漢方薬は、品質管理(基原、性状、確認試験、純度試験など)された複数の生薬の組み合わせから成り立っています。科学が発達する以前は、薬としての効果は薬用植物(生薬)にあると考えられていたものが、1803年、ドイツの薬剤師Sertürnerによって、アヘン(生薬)からモルヒネ(化学物質)が単離され、経験的に用いられてきたアヘンの鎮痛作用がモルヒネにあることが明らかとなり、活性の本体が“生薬”から“化学物質”へと変化しました。日本においては、1887年、長井長義博士によって、マオウ(生薬)からエフェドリン(化学物質)を単離したことを皮切りに数多くの天然物(化学物質)が発見されました。
私たちは、植物(シダ類、顕花植物など)から“未知の化合物を発見する”研究を行っています。元来、薬とは薬草であり、そこから得られた天然物(化合物)はとても重要なものです。そのなかでも、未知なる化合物(新規化合物)は、世界中で単離した者だけが持っている大変貴重なものと言えるのです。
研究概要
私たちの研究室では、植物(シダ植物、顕花植物など)に含まれるトリテルペノイドを中心とした成分の化学構造を解明する研究、日本国内外の薬用資源植物から生物活性を有する新規化合物の探索研究、及びこれら化合物を植物が作る仕組み(生合成)を解明する研究を行っています。また、近年日本における生薬の供給は、中国をはじめとする諸外国からの輸入がほとんどです。最近の世界情勢を鑑みても国内生薬の生産は、安心?安全の面からも必要不可欠となっています。そこで、本学薬用植物園を利用した生薬基原植物の国内における栽培最適化及びその品質管理に関する研究にも取り組んでいます。
教員紹介
中根 孝久 教授 / 学位:博士(薬学)
- 研究分野:生薬学、天然物化学
- 担当科目:基礎生物学2(1年後期)
薬系公定書概論(2年後期)
生薬学2(3年前期)
機器分析学(3年前期)
天然物化学(3年後期)
生薬?天然物化学実習(3年後期)
漢方治療学(4年後期)
篠崎 淳一 講師 / 学位:博士(薬学)
- 研究分野:天然物化学
- 担当科目:早期体験学習 (1年前期?1年後期)
生薬学I (2年後期)
生薬学II (3年前期)
天然物化学実習 (3年後期)
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