07.13(THU)2023
原著論文発表
【薬理学研究室】 シスタチオニン γ-リアーゼがタンパク質ポリスルフィド化により自己制御されることを発見(Int J Mol Sci誌に掲載)
薬理学研究室が取り組んだ研究「Cystathionine γ-Lyase Self-Inactivates by Polysulfidation during Cystine Metabolism」が、スイスに本部を置く出版社MDPIの学術雑誌International Journal of Molecular SciencesにArticleとしてオンライン掲載されました(2023年6月10日)。
Cystathionine γ-Lyase(CSE)は、硫黄含有アミノ酸を代謝する酵素です。CSEは、様々な生理活性を持つことで近年注目を浴びている超硫黄分子※の産生にも関わっており、超硫黄分子産生に関与する酵素では唯一、様々な刺激により発現誘導されます。薬理学研究室の荒木笙馬特任助教、渡邊泰男教授、土屋幸弘准教授らの研究グループは、インディアナ大学、熊本大学、大阪公立大学、九州大学、東北大学との共同研究によって、CSEは自身が産生する超硫黄分子により修飾を受けることで、その活性が制御されることを明らかにしました。CSEは、その発現量とがんの悪性度が相関することも報告されています。この研究成果は、CSEの新たな機能調節メカニズムを示すものです。
※超硫黄分子:分子内に過剰な硫黄原子が付加したポリスルフィド構造を持つ分子の総称。システインのチオール基に硫黄原子が付加したシステインパースルフィドなどがある。